ドアのはめ込み
「玄関ドアの施錠の調子がおかしいのでドアを蝶番から外したら、嵌められなくなった。助けて・・・」
と、救援コール。
ハイハイ~ッと二つ返事で現場に向かいました。当店は錠前だけでなくこんな扉周りのトラブルにも対処しています。
間もなく現場に着くと、当のご主人が外で首を長くして待っておられました。
見るとまだ築5年ほどのメーカー住宅で、昨今流行りの背の高い重量感のある断熱ドアがドアクローザーが繋がったまま3ヶ所ある蝶番から全て外れておりました。
軽いドアなら何でもないのですが、実際に持って見るとかなり重い。よく外したもんだと思いましたが、さあこれは大変だぞ、と気を引き締めてかかりました。
通常建築時にはドアを機械で吊下げながら位置を調整して嵌めて行くのですがそうはいきません。3ヶ所ある垂直の棒にこれだけ重い扉を正確に垂直に保ってドア側の穴に同時に下ろすなんて芸当は人力で且つ道具も機械も無しではまず不可能です。
そこで先ず、ドアクローザーを外してからバールを使って一番下の蝶番を嵌め込み、上2ヶ所の蝶番は、枠側の蝶番固定ネジを外してから蝶番を予め組んでおいた状態にてネジ位置を合わせ枠側蝶番を戻すという方法を取りました。作業工程をずっとそばで見ていたご主人はその度に「あっそうか~。あっそうすれば良かったんだ~。」としきりに納得したり感心したり。「理屈も判らずヘタなことをすると駄目だなあ~」 心の中で「そう、その通り」と私。
ドアが戻ったら施錠の悪かった部分を修正し、先に外したドアクローザを戻して終了です。
何とかなって良かったですが、私にとっては珍しいご依頼でした。
で、結局は、施開錠が悪かった原因を取り除くためには、ドアを外す必要は全くなかったようです。