お知らせ

店長日記

某高校体育会系部室の錠前交換


某高校部室ドア近くのちょっとした所に隠してあった置鍵が失くなったとのことで先生から錠前交換依頼がありました。鍵を替えたいという事です。

早速伺いました。

私は、交換する前に依頼主に交換する理由と同時に、依頼主が替えたいモノ、例えばキーシリンダーやノブの他に調子の悪い個所がありますか?と必ず訊きます。

お客様の要望に従って錠前を構成している一部品(例えばキーシリンダーのみ)を交換しているのですが、もし、交換後そんなに時間経過していないのに調子が悪いと連絡が入る事があります。伺って不具合分析すると、私が全く手を触れていない部分が何らかの理由で故障していたというケースです。私の触れていない部分が故障しましたといくら説明しても結果的にクレームとなる場合も多いのです。技術的には納得いかないのですが、プロとしてきちっとお客様に聞き取らなかったこちらが悪いので、諦めてできるだけお客様の要望に応えます。とはいうもののやはり悔しい気持ちは残りますので、そういうことにならないようできる限り周辺まで範囲を広げて聞き取りを行うようにしているのです。

それはそれとして、今回の場合、室内側のサムターンがカラカラと空回りしてました。「あれ?これはどうしましたか?故障してますか?」と訊くも明確なご返事を頂けないため、「もしばらしてみてノブ以外にも不具合が見つかりましたらそれも直しますがいいですか?その場合最高で〇〇円になりますが」という事で作業に入りました。

ノブを外してみたら、わざとサムターンを空回りさせるように改造してあるのがすぐ判りました。「ははあ~ん」という事ですぐに「同じように改造しておきますか?」とお客様(先生)に訊けば、「よく分かっていただいてありがとうございます。お願いします。」との返答。

つまり、生徒に部室に立て籠もられては困るので室内側からロックがかからないようにするわけです。学校の部屋ではよくあることで、本来そういう仕様の錠前が販売されているのですが、需要が少ないため常備していないことが多く、現場で避難的に改造等をして同機能を持たせる場合があります。

結果、本日の場合は全部を交換する必要なく、一部改造のみで全てを終了させました。

でも、ちょっとした事でしたが、お客様からの直接的な依頼以上の隠れた要望までできて、お客様の満足度が少しでも上がったかなと、ちょっといい気分で帰ってきました。